質問箱・Q&A

Q 「一部共用部分」と言う言葉を耳にしますが、どのような部分を一部共用部分と呼ぶのでしょうか?また、一部共用部分は、管理規約上どのように取り扱えば良いのでしょうか?(管理組合役員) 
A一部共用部分とは、共用部分でも一部の区分所有者のみで共用していることが明らかな部分を意味します。例えばトランクルームの共用廊下などがこれに相当しますが、構造上も機能上も明らかに排他的なものに限ります。一部共用部分は、これを共用すべき区分所有者のみの共有に属し、原則としてその人たちの負担において管理することになります。ただし、管理規約により区分所有者全員で管理すると定めた場合は、この限りではありません。一部共用については、不明瞭な原始規約をよく見受けます。一度管理規約をよく点検して、必要であれば改正を検討しましょう。
Q管理会社の斡旋で施工業者を選定し大規模修繕に着工したところ、専門業者からシーリング工事の追加が必要との指摘がありました。この追加費用の負担については、どこに責任があると考えればいいでしょうか?(区分所有者)
A詳しい経緯と事情によりますが、管理会社には道義的な責任、施工者には事前説明責任あるいは設計施工者として適切な判断を欠いた責任が考えられます。また一方管理組合としては、十分理解していなかったとは言え、仕様書など設計図書に承認を与えた契約当事者としての責任は否めないように思われます。
設計施工による修繕の場合、修繕の範囲、内容、仕様などについて第三者に客観的な判定評価を依頼することがどうしても必要です。管理会社や工事施工者と管理組合とでは、大規模修繕に関する知識や情報力の差は歴然としています。建築家など専門家の協力を得て、その格差を是正する慎重さが望まれますが、出来れば第三者による設計・工事監理方式が最も望ましい大規模修繕の進め方でしょう。
Q最近話題の超高層免震マンションを購入しましたが、維持管理や修繕ではどのようなことがあるでしょうか? (マンション購入者)
A超高層マンションでは一般の中層マンションに比べ維持管理や修繕に特段の費用がかかると思われます。特に設備面で顕著です。給水には特別な圧送技術も必要でしょうし、給湯面でも超高層部をオール電化とするため地上部にガス給湯圧送設備を必要とする場合もあります。エレベーター自体も高価でしょう。免震装置については、種類により様々ですが、ゴムを使ったものについては耐用年数があるものと思われます。長期修繕計画書などで、修繕・メンテナンス費用がどのくらいかかるものか確認されることをおすすめします。他にも配管などに伸縮継手が多用されており、維持管理の費用も確認が必要です。
Q大規模修繕工事の準備にあたって、管理会社に過去の修繕工事関係の資料提出を求めたところ、紛失したとの回答でした。不正があったのでは?との疑惑をもちますが、損害賠償などを求められるでしょうか? (マンション住民)
A不正があったとの確たる資料が発見されないかぎり、資料紛失のみをもって損害賠償などは困難でしょう。重要な書類は全て管理会社に預けるのではなく、原則的に管理組合が保存する姿勢が必要です。これを機会に管理組合の運営方法をもう一度点検し、必要によっては改革することが望まれます。書類紛失などは管理会社としてあるまじきことですから、委託先の変更も視野に入れることをお奨めします。
Q構造計算書の偽造事件が世を騒がせていますが、「我がマンションは大丈夫か?」と不安を感じます。どのように対処すれば良いでしょうか?この際耐震診断をしては?とも思うのですが・・・
(管理組合役員)
A今回の事件は前代未聞の稀有な事例とは想像しますが、ご心配はご尤もです。国土交通省では今回の事件に即応して「管理組合向け対応マニュアル」を公表しております。同省のホームページをご覧ください。
また、「建築構造技術者協会」では対応窓口を開設して、偽造の疑惑があるかどうか程度の簡単なチェックについては無料で提供しております。詳しくは同協会のホームページにアクセスされては如何でしょうか?
「計算書の点検」と「耐震診断」とは似て非なる問題ですから混同しないようにご注意ください。昭和56年6月以降の建築確認物件については、いわゆる「新耐震基準」による設計ですから、耐震診断の対象とはなりません。但しこれは計算書が偽造されていないことを前提とします。その他の建築物件は旧耐震基準によるものであり、耐震診断及び補強の対象となる建物です。ご自分のマンションの建築確認年月日を調べてから、診断の必要性をご判断ください。順序としては、先ず偽造の懸念の有無を明らかにし、然る後に(建築確認の時期次第では)耐震診断を受ける手順になるでしょう。
Q石綿(アスベスト)と岩綿との違いは何でしょうか?
A石綿は天然に産出する鉱物繊維で綿のようにやわらかい繊維ですが、繊維そのものは非常に径が細く結晶質で先が尖った形をしています。肺に吸引されますと健康被害を起こします。国際ガン研究所(IARC)の評価はヒトに対する発ガン性を示すグループ1に分類されています。岩綿は鉱物を高温の炉で溶かして生まれる人造の無機繊維です。繊維の径は石綿に比べ数十倍~数百倍太く、長い繊維状に加工され空気中に飛散しづらいです。岩綿(ロックウール)を生産しているメーカーではロックウールは生体内で溶けやすいために万が一、体内に入ったとしてもそのまま体外に排出されますと言っております。IARCの評価ではヒトに対する発ガン性に関しては分類できないグループ3に属しています。なお粉砕すると長い繊維が切れて粉状になり空気中に舞うこともあると筆者は思います。なるべく包み込まれた形で利用し、工事現場などでは裁断しないことが肝心と考えます。
Q最近よく制震構造や免震構造と言うことばを耳にしますが、どのような違いがあるのでしょうか?
A免震構造は主に基礎部分に振動周期を長くするゴムや振動を吸収するダンパーを設置して、地震などの振動が建物の上部構造に伝わりにくくします。一方、制震構造は上部構造の中に振動エネルギーを吸収するダンパーを組み込んで、建物の揺れを抑えます。いずれも耐震構造に較べて地震に強い分けではありません。地震や風の揺れを軽減することによって、建物に与える損傷を小さくし、居住性を高めようとするものです。
Qマンションの構造設計について最近話題になっていますが、現法律ではどのくらの震度に耐えられる設計をしているのですか?
Aその建物が建っている間にどのくらいの震度を経験するかを考慮して;
(1)中地震に対してー震度5程度(100ガル)の場合ー、建物の水平変位を階高の1/200以下に押さえて構造体を軽微な損傷に留める。
(2)大地震に対してー震度6強程度(300~400ガル)の場合ー、倒壊はしないが部材によっては破壊する部材も出る。
以上のような2段階の考え方で設計しています。
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